~卵巣がん~ 茎捻転(けいねんてん)
子宮と卵巣をつなぐ2本の靭帯で、卵巣は支えられています。
しかし卵巣に腫瘍ができて5cm以上の大きさになると、靭帯がおなかの中で回転してねじれてしまうことがあります。
これが茎捻転(けいねんてん)です。
この確率は10%くらいと言われています。
靭帯の働きは卵巣を支えるだけではありません。
靭帯には卵巣に通じる静脈や動脈、神経も通っています。
このため茎捻転が起こると卵管や靭帯がねじれることで、血流がさえぎられ、激しい吐き気、発熱、嘔吐を伴う腹痛が起こり、時には意識不明に陥る場合もあります。
静脈圧迫によるうっ血や、神経圧迫による痛みが起こるのです。
また、腫瘍が破裂し、出血、化膿の症状が起こる場合もあります。
茎捻転になった場合には、早急に手術を受ける必要があります。
手術では、腫瘍や、場合によっては卵管や卵巣の摘出となります。
卵巣を取ってしまっても、卵巣は元々2つあり、片方が残っていますので妊娠・出産は大丈夫です。
茎捻転(けいねんてん)のリスクを抑えるため、卵巣腫瘍が6cmを超える場合には、良性であっても手術を考えたほうが良いでしょう。
また、茎捻転によって卵巣腫瘍があることに気づくこともあります。
虫垂炎と間違われる場合もあるので、注意が必要です。
このように、たとえ腫瘍が卵巣がんでなかったとしても、卵巣の腫瘍は大きな疾病につながることがあるのです。
卵巣がんにかかっていないか、腫瘍はできていないかなどをチェックするためにも、子宮検査とセットにして卵巣を定期健診することが必要です。
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卵巣がんの症状について述べていきます。
初期にはほとんど症状がないため、卵巣がんの2/3は転移してから発覚するのが普通です。
卵巣がんは、転移しやすいタイプと転移しにくいタイプがあり、転移しにくいタイプは、腫瘍が小さいうちは子宮の定期健診などで発見されたりします。
やがて腫瘍が大きくなるにつれ、下腹部のしこりや圧迫感、膀胱圧迫による頻尿などの症状が出てきます。
そういった異常に気付いてエコー(超音波)検査を受け、卵巣がんの早期発見につながることがあります。
転移しやすいタイプの場合は、まだ卵巣内であまり大きくならないうちでも転移してしまいます。
腹水でおなかが膨れ、胸水の影響で息切れするなど、転移によって起こる症状が出て初めて異変に気づくことが多いです。
卵巣がんの転移の中でも一番多いのは、腹膜播種(ふくまくはしゅ)です。
がん細胞が、卵巣の表面から腹膜にかけて広がります。
腹膜播種は卵巣付近に限らず、卵巣から一番遠い腹膜の横隔膜にまでよく見られます。
がんが横隔膜から胸腔内に広がると胸水がたまり、リンパ節に転移すると腹部大動脈の周りのリンパ節や骨盤内のリンパ節が腫れ、次第に胸や首のリンパ節へも広がるケースがみられます。
転移しないタイプの卵巣がんは手術だけで治療できる一方、転移するタイプの場合には手術と併行して化学治療も必要になります。
診察やエコーで腫瘍が見つかっても、まだその時点では良性・悪性かは判断できず、画像診断や腫瘍マーカーを用いて判断されます。
画像診断の際にはエコー検査、MRI、CTなどが行われます。
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