~卵巣がん~ 子宮内膜症と卵巣がん
生理の時に剥がれ落ちた子宮内膜が出血した血液とともに子宮から漏れ、腹腔内の子宮以外の卵巣や腹膜、卵管などに癒着(ゆちゃく)して増殖し、そこで生理(出血)を起こすのが「子宮内膜症」です。
初期症状としては、生理痛がひどくなってきます。
子宮内膜症は将来、様々な合併症につながるので、できるだけ早期に治療する必要があります。
この場合の合併症とは、卵管が塞がれて起こる不妊症、卵巣がんなどです。
内膜細胞が卵巣内にできた場合には、生理の血液が卵巣内に溜まってチョコレート嚢腫(のうしゅ)となるため、超音波でも容易に判断できます。
チョコレート嚢腫ががん化しているかどうかは、専門医ならば超音波で判断できます。
特に排卵回数が400回以上、排卵年数が40年以上、不妊・未出産・初産が30歳以上の時の人、閉経が遅い人、動物性タンパク質を多く摂る人は卵巣がんのハイリスクを持っているので、入念な検査が必要です。
子宮内膜症の一番の治療は妊娠です。
妊娠すると内膜を増殖させるホルモン分泌がなくなるため、生理もなくなり、子宮以外の内膜細胞は死滅してしまうのです。
子宮内膜症の一般的な薬は点鼻薬と注射です。
どちらの薬も効果は同じでよく効きます。
薬で症状が改善されない場合には手術を行います。
手術をしても、ホルモンが出る限りは薬物療法が必要で、手術だけでは完治しません。
子宮内膜症は生理がひどくなってからの1、2年の初期では完全に治りますが、5年以上経過すると完治が難しくなるので早期治療が重要なのです。
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卵巣がんの症状について述べていきます。
初期にはほとんど症状がないため、卵巣がんの2/3は転移してから発覚するのが普通です。
卵巣がんは、転移しやすいタイプと転移しにくいタイプがあり、転移しにくいタイプは、腫瘍が小さいうちは子宮の定期健診などで発見されたりします。
やがて腫瘍が大きくなるにつれ、下腹部のしこりや圧迫感、膀胱圧迫による頻尿などの症状が出てきます。
そういった異常に気付いてエコー(超音波)検査を受け、卵巣がんの早期発見につながることがあります。
転移しやすいタイプの場合は、まだ卵巣内であまり大きくならないうちでも転移してしまいます。
腹水でおなかが膨れ、胸水の影響で息切れするなど、転移によって起こる症状が出て初めて異変に気づくことが多いです。
卵巣がんの転移の中でも一番多いのは、腹膜播種(ふくまくはしゅ)です。
がん細胞が、卵巣の表面から腹膜にかけて広がります。
腹膜播種は卵巣付近に限らず、卵巣から一番遠い腹膜の横隔膜にまでよく見られます。
がんが横隔膜から胸腔内に広がると胸水がたまり、リンパ節に転移すると腹部大動脈の周りのリンパ節や骨盤内のリンパ節が腫れ、次第に胸や首のリンパ節へも広がるケースがみられます。
転移しないタイプの卵巣がんは手術だけで治療できる一方、転移するタイプの場合には手術と併行して化学治療も必要になります。
診察やエコーで腫瘍が見つかっても、まだその時点では良性・悪性かは判断できず、画像診断や腫瘍マーカーを用いて判断されます。
画像診断の際にはエコー検査、MRI、CTなどが行われます。
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