~卵巣がん~ 卵巣がんの腫瘍マーカー
体内に腫瘍ができると、健康時には見られない特殊な物質が腫瘍から作られます。
そしてて血液中に現れてきます。
腫瘍マーカーとは、この特殊な物質を指します。
がんが発生した臓器と腫瘍マーカーは深い関連性があるので、血液中に腫瘍マーカーが多く発生したときには、がんの発生が推測できるのです。
腫瘍マーカーは、がんの早期の場合には陽性と診断されないことが多く、逆に陽性であってもがんでない場合もあります。
腫瘍マーカーは、健常者の血液中にも微量、時には高い値を示すこともあるのです。
そのため、腫瘍マーカーはがんの早期発見の手段としては使わず、がん診断の補助的な手段として、そしてがんの進行を診るうえでの指標として使います。
血液中に微量に存在する糖タンパクであるCA125は、腫瘍マーカーの一項目です。
このCA125という腫瘍マーカーの測定は卵巣腫瘍の良性、悪性の判定に役立ちます。
卵巣がんの最も多いタイプ、漿液性(しょうえきせい)腺がんは、この腫瘍マーカーであるCA125が高い値を示します。
血液中のCA125は、卵巣がんに比較的特異性の高い腫瘍マーカーなのです。
転移のある卵巣がんでは、ほとんどの人はCA125が陽性です。
多くは非常に高値になるため、血液検査のみで卵巣がんと判明する場合もあります。
しかし、早期がんではCA125は陽性になる確率は低く、若い女性の中には軽度陽性であっても、がんのない人も存在します。
したがって、卵巣がんの早期発見において、CA125はあまり役立たないのです。
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卵巣がんの症状について述べていきます。
初期にはほとんど症状がないため、卵巣がんの2/3は転移してから発覚するのが普通です。
卵巣がんは、転移しやすいタイプと転移しにくいタイプがあり、転移しにくいタイプは、腫瘍が小さいうちは子宮の定期健診などで発見されたりします。
やがて腫瘍が大きくなるにつれ、下腹部のしこりや圧迫感、膀胱圧迫による頻尿などの症状が出てきます。
そういった異常に気付いてエコー(超音波)検査を受け、卵巣がんの早期発見につながることがあります。
転移しやすいタイプの場合は、まだ卵巣内であまり大きくならないうちでも転移してしまいます。
腹水でおなかが膨れ、胸水の影響で息切れするなど、転移によって起こる症状が出て初めて異変に気づくことが多いです。
卵巣がんの転移の中でも一番多いのは、腹膜播種(ふくまくはしゅ)です。
がん細胞が、卵巣の表面から腹膜にかけて広がります。
腹膜播種は卵巣付近に限らず、卵巣から一番遠い腹膜の横隔膜にまでよく見られます。
がんが横隔膜から胸腔内に広がると胸水がたまり、リンパ節に転移すると腹部大動脈の周りのリンパ節や骨盤内のリンパ節が腫れ、次第に胸や首のリンパ節へも広がるケースがみられます。
転移しないタイプの卵巣がんは手術だけで治療できる一方、転移するタイプの場合には手術と併行して化学治療も必要になります。
診察やエコーで腫瘍が見つかっても、まだその時点では良性・悪性かは判断できず、画像診断や腫瘍マーカーを用いて判断されます。
画像診断の際にはエコー検査、MRI、CTなどが行われます。
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